エルドラド EL DORADO
銀座一丁目に、今は無くなった銀座セゾン劇場があった。
夫が撮影したフィルムの現像に一丁目にある銀一によく行っていたので、セゾン劇場の演目をよく目にしていた。劇場には映画館テアトル西友もあり、そこでカルロス サウラ監督の『エル ドラド』を観た。
夫は、大航海時代のコンキスタドールの逸話の大ファンで、そんなことで『エルドラド』を観ることになった。その数年前にカルロス サウラ監督の1983年制作の『カルメン』を多分新宿で観たと思う。その時、会場は70%の観客が欧米人だったと記憶している。映画終了後彼らのスタンディングオベーション Standing ovation の大歓声は私の初体験ですごい衝撃だった、この映画も夫と観た。
EL DORADO のチラシ |
映画館テアトル西友には、我々二人と、欧米人が二人いた。たった4人です。これはどういうことなのかと奇妙な思いで映画が始まった。
1987年制作の『エル ドラド』(1989年日本公開)。
1560年ペルーより出航した男、アギーレと遠征隊、若き指揮官ペドロ デ ウルスア の見果てぬ夢物語。文献からアギーレもウルスアも実在の人物である、
参照『ロペ デ アギーレの表彰をめぐって』野谷文昭著、れにくさ3号 2012刊
アギーレをイタリアの俳優 オメロ・アントヌッティ Omero Antonutti
Omero Antonutti |
ウルスアをフランスの俳優 ランベール ウィルソン Lambert Wilson
Lambert Wilson |
パンフレット |
ウルスア指揮官の夢破れ、船上でリュート(だと思う)を弾かせニヒリスティックなセリフを言う場面が印象的だけれど、セリフの内容が思い出せない。探検にニヒルはタブー。
しかし、私にとってはこの映画に漂うニヒリズムが魅力だった。
食料もなくなり、貴重な騎馬を屠殺する場面は、今も記憶に残っている、本当に馬を殺戮した場面は彼らの悲痛な想いとリンクして衝撃的だった。これは闘牛の歴史あるスペイン人だから可能だったと思う。この時代1980年代の映画界では騎馬を屠殺する場面が受け入れられなかったのかもしれない。
この夢物語が新大陸発見へと続く。今は進出で発見ではないと言われるが、コンキスタドールの情熱と信じられない努力と、未知への希望を思うと、発見と私は云う。
この映画はスペイン政府の協力を得て、莫大な製作費をかけて創られた。
今は、この映画の予告編もなく、データも乏しい。なぜこの映画が泡となってしまったのか理解できない。
フランス製ポスター |
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