ユングと治療を受けるザビーナ |
何が危険なのか?精神分析が、道ならぬ恋が、倒錯的快楽が、崩壊する神経が。
個人のこころの追求は尽きるところがない。
2011年制作、David Cronenberg デヴィッド・クローネンバーグ監督、第一次世界大戦前夜の精神科医カール・グスタフ・ユングとジークムント・フロイト、そしてザビーナ・シュピールラインの3人のドラマを描いている。
監督は俳優でもあり、1995年の『誘う女』(ニコールキッドマン主演)にも出演しているらしい。よく憶えていないけれど。極めて優秀な学業成績で大学を卒業しているらしくかなりの教養人とみた。
ジークムント・フロイトの Viggo Mortensen ヴィゴ・モーテンセン、Carl Gustav Jung カール・グスタフ・ユングの Michael Fassbender マイケル・ファスベンダー 、
ユングの患者であったザビーナ・シュピールラインの Keira Knightley キーラ・ナイトレイ の三人がほぼ出ずっぱり。登場人物はミニマムでシンプルだけれど、充分なドラマを感じ満足だった。
夏目漱石の『こころ』に登場する先生、私、お嬢さんの三人の心理劇を感じながら観ていた。
ユングとフロイト |
フロイト本人 |
確かにユングはユングらしく、フロイトはフロイトらしく、ザビーナはザビーナらしく、まるで三人はこうして存在していたと思わせる演技だった。個人的にはユングの妻、エマ ユング役のサラ・ガドンが好きだけれど。カナダ、オンタリオ州トロントの出身で、父親が心理学者だからまさに適役でしょ。
サラ ガドン |
2012年、デヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドン・クローネンバーグが監督を務めたホラー映画『アンチヴァイラル』ではハンナ役で主演。
注意 私、この映画恐くて観られない
キャスティングにはえらく感心した、これ以上は考えられないと。それにしても役者というのは天才的ペテン師ね。
ヴィゴ・モーテンセンはThe Lord of the Ringsのアラゴン役よりフロイト役の方が適役だと思う。
プロローグ、ザビーナの神経錯乱状態は演技とは思えないほどだった。