2012年3月10日土曜日

The Killer Inside Me

movie-7 The Killer Inside Me




映画を観たその夜はなかなか寝付けなくて、2時間ほど会話をして、やっとこちら側に戻ってこられた。
1950年代、米国社会が繁栄を謳歌しているテキサス州の田舎、油田鉱山の町モンタナが舞台の、犯罪ドラマ。

とにかく主演のケイシー・アフレック(ルー・フォード)がとてもいい。100点満点!
彼の演技なくしてこの映画はあり得ないでしょう。ジェシカ・アルバ(娼婦ジョイスレイク)、ケイト・ハドソン(恋人エイミー・スタントン)共演。




娼婦ジョイスレイク(ジェシカ・アルバ)によって呼び覚まされた慾動。とはいいながら、彼の犯罪は暴力的な慾動ではなく、非常に計画的で、己の愛欲の果ての殺人(正に死と隣り合わせのエロチシズム)を消し去るために、綿密に計画をたて、実行に移す。この暴力的な慾動ではない暴力、という不一致が物語に陰影と深みを与え、魅力的な犯人が登場する。恐ろしさを感じながら、彼女たち(ジョイスレイク、エイミー·スタントン)と同じに、ルーを許し、許容している自分がいる。そのくらい彼の異常に魅力があるのである。

娼婦ジョイスを殴り殺してしまう暴力場面は、固唾をのんで観てしまった、と告白しておこう。顔面がくずれていく様相は、映画ならではのリアリティで、監督の映画づくりのうまさに脱帽である。また女優ジェシカ・アルバもすごい!





内容が内容だけに、アカデミー賞はむずかしいけど、完璧アクデミー賞をあげたい。

参照<Wikipediaより>
1950年半ばには、20世紀フォックスが、マーロンブランド、マリリンモンロー、エリザベス·テイラーで制作を計画したが、196285日にモンローの予期せぬ死のため、プロジェクトは見送られた。

バートケネディ版

1976年に、ワーナーブラザーズバートケネディ監督で制作したが、当時不評だったらしい。

1980代半ばの、トム·クルーズブルック·シールズデミ·ムーア プロジェクトも見送られた。 

1990代半ばには、 クエンティン·タランティーノ監督が  ウーマ·サーマン、ジュリエット·ルイス、ブラッド·ピットで、この取り組みも、911攻撃の影響で廃棄。


 2003に、レオナルド·ディカプリオ シャーリーズ·セロンドリュー·バリモアでのプロジェクトもお流れ ケイシー·アフレックリース·ウィザースプーンマギー·ギレンホールの計画も実現ならず。


そして本編、2010年マイケル・ウィンターボトム監督、ケイシー·アフレック、ジェシカ・アルバ、ケイト・ハドソン版である。2010年の第60回ベルリン映画祭では 、暴力の描写をめぐって大論争だったらしい。

原作のジム・トンプソンも異端の小説を書き続け、死後評価されたらしい。しかし、制作の歴史をみると、多くの映画製作者の意識をいかに喚起したかわかる。



米国の集計映画サイト腐ったトマトでは55%で(56%以上は肯定)でなんとか合格。








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