ウォルター・クレーン画 |
正月早々に映画『赤ずきん』を観た。正月の日の丸ならぬ赤ずきん。
世界中で爆発的人気をよんだ、ロバート パティンソン+クリスティン スチュワートのラヴコンビ扮する『トワイライト初恋』のキャサリン バドウイック監督のスリラー作品。このシリーズ三作品観たけれど、1作目の『トワイライト初恋』がダントツおもしろい。
背景になる寒国のカナダらしい場所。カラッと晴れることのない陰鬱な地域。
『赤ずきん』のプロローグの風景描写もそんなところ。ただし時代は中世かそれ以前。川のながれを俯瞰でみせるカメラアイは映画に酔える素晴らしいもの。映画のはじまりはとても重要なのである。
赤ずきんのヴァレリーは可愛いのに残酷を楽しむ子なのである。ふむふむ、、、。登場人物はみなリアリティがなく、美しく、生活臭が無い。
ヴァレリーは人を信じそうで信じない。愛がありそうで愛がない。ソロモン神父は神聖そうでエゴイスト。辻褄のあわないことが多いのだけれど、人狼と人間の恋愛。この理不尽を綺麗な画面とアクションでみせてしまう。スリラーでなくラヴストーリーアクション映画。
この嘘っぽい映画で注文をつけるとしたら、赤ずきんヴァレリーの残酷さを掘り下げて描写して欲しかった。赤ずきんの色にふさわしい残酷さを。
グリム童話の『赤ずきん』も不思議なお話。
グリム童話の『赤ずきん』はこちらから
赤ずきん、おばあさん、狼、この関係も不思議。
童話や民話というのはわけのわからない話が多く、あまり深読みしない方がよいと思う。精神分析学者がメルヘン学者に批判されるのも頷ける。
アリスインワンダーランドは消化不良でおもしろくなかったな。
その点、『赤ずきん』は童話を自分の都合のいいように脚色しているところが成功していると思う。『トワイライト初恋』には負けるけど。
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