2019年10月13日日曜日

インターステラー Interstellar

アイスランドで撮影された惑星、クリックして!Wonderful 

「インターステラー」 Interstellar(有人惑星間航行)

2014年、クリストファー ノーラン監督によるSF映画。

 最近のSF映画は、地球に緑がなくなり、地球に住むことができなくなり別天地を他の星に求めるという筋書きが多い。

 2008年、ディズニー映画「ウォーリー」。
人間は汚染し尽くした地球を捨て宇宙船での生活をしている。歩くことをしなくなった人間は張りぼての風船人間になっている。




 2009年、「アバター」ジェームズ キャメロン監督の米映画。
近未来、衛星パンドラに希少鉱物を求めて、そこに住むナヴィ族との戦闘に入る。






2012年、「プロメテウス」リドリー スコット監督のSF映画。
2089年、人類の起源を求めて未知の惑星に向かい、エイリアンとの戦いを余儀なくされる。





2019年、「アリータ バトルエンジェル」日本人本城ゆきとの漫画「銃夢」を実写化した米映画。
地球と火星連邦共和国による没落戦争から300年、地球は地球最後の空中都市とクズ鉄町アイアンシティに分断されている。





 2014年、「インターステラー」 Interstellar(有人惑星間航行)。クリストファー ノーラン監督によるSF映画。

 近未来、異常気象により、第二の地球をワームホールを通して他の惑星に求めるため、広大な宇宙を旅する物語。




 私は宇宙のこと、ブラックホール、ワームホールという四次元空間の知識は皆無だけれど、ノーベル物理学賞を受賞した キップ ソーン 氏が製作総指揮に名を連ねているだけあり、最高のリアリティでバーチャル体験をした。


 すばらしい脚本は、クリストファー ノーランと監督の弟ジョナサン ノーランが執筆している。ジョナサン・ノーランは「インターステラー」執筆のために4年かけている。科学を学ぶため、執筆のあいだ中彼はカリフォルニア工科大学で相対性理論を学んだらしい。


 我々が日々体験する最近の異常気象。人口増加による生活の都市化が地球温暖化を誘発し、異常気象をまねいていると思われる。ひとつの台風で年間の降雨量の3~4割という異常。これは現実なのだ!!

 これらの映画は、我々に訪れるであろう近未来の危機を告発する結果になっている。地球を捨てるのでなく、この美しい地球を残す努力を我々は求められている。

 何をすべきか?目の前のことからはじめるしかない。




画像はC2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved



2018年10月1日月曜日

君の名前で僕を呼んで


『君の名前で僕を呼んで』(原題 Call Me By Your Name)


17才のエリオが、北イタリアの別荘で両親と一夏を過ごすところから映画のプロローグ。エリオは、アメリカの名門大学で教鞭をとるギリシャ・ローマ考古学教授の父パールマンと、何ヶ国語も流暢に話す母親の一人息子。教授にアシスタントとして招かれてやってきたのが24才の大学院生オリヴァー。彼は教授の助手で夏の間エリオたちと暮らすことになる。


早熟な聡明で芸術的センス溢れるエリオを演ずるのがティモシーシャメラ。映画関係者の多い家族の中で育っただけあって自然にハイクオリティの演技ができる逸材である。


映画の一コマが絵画になっている


この映画の魅力はセリフの芸術性である。どのセリフにも教養豊かな品の良さがある。上等な小説を読んでいるような。脚本のジェームズ・アイヴォリーの魅力であろう。この作品で第90回アカデミー賞脚色賞を受賞している。





エリオとオリヴァーの会話の一言一言にため息が漏れる。どちらもこの映画の設定と同じユダヤ系である。映画のリアリズムが人の心を打つ。映像のリアリズムは息を呑む美しさだった。どの風景も夢の中。





二人の肉体的絡みは、男女のラブシーンと違って斧で現実を断ち切るショックを与える。このショックがこの映画の非日常を生み出し非凡な作品に仕上げている。


ジェームズ・アイヴォリーはインド出身のイスマイル・マーチャントとプロダクションを設立し、マーチャントのプロデュース、アイヴォリーの監督のコンビで公私にわたるパートナー(同性愛)として24本の長編映画を製作した。この映画のエリオとオリヴァーはアイヴォリーのリアリティだと思う。


オリヴァーを演ずるアーミーハーマは大変魅力的で、裕福な家庭の遺伝子に溢れて最高の演技だった。彼の登場で画面がゴージャスになる。彼にはもっと大きな主役があるはず。スパイ映画の「コードネームUNCLE」を観たけれど、私は文学的役の方が彼の良さを引き出すと思う。




父パールマン教授のマイケル・スタールバーグは舞台出身だけあって重厚な演技で威厳に満ちている。実際に彼はジュリアード学校で美術学士を修めている。


まるでボナールの絵


エリオの母役のアミラ・カサールは仏語、英語、独語、伊語、スペイン語を話す超バイリンガルである。


魅力的な アミラ カサール


映画のエピローグは、オリヴァーから「婚約した」と電話連絡を受けるエリオの悲しみの場面。女性のようにエレガントなシャツを着たエリオ。私にはこの二人はこれから始まるのだとしか思えない。

この映画には美しい人、教養人、センスある人、思慮深い人しか登場しない。だから観客は桃源郷を感じ陶酔する。しかし、現実は必ず悪人の存在を認めている。



          





2018年3月21日水曜日

メアリーと秘密の王国



『メアリーと秘密の王国』(原題: Epic )は、
ウィリアム・ジョイスの絵本「The Leaf Men and the Brave Good Bugs」を クリス・ウェッジ監督が3Dアニメ映画化したファンタジーアドベンチャー。2013年20世紀フォックス配給。



メアリー アマンダ・ミシェル・サイフリッド(Amanda Michelle Seyfried)

は疎遠になっていた学者の父ラリーが住む森を訪ねるところから物語が始まる。
ラリーは森には高度な社会を築く「小さい人」が居る痕跡を調査、研究中なのだが、、、ひょんなことから森の中に入ったメアリーが、瀕死の森の女王クイーン・タラに出会い、「生命のつぼみ」を託される。「生命のつぼみ」が悪の勢力の手に渡ると森が滅びると知ったメアリーは、女王の兵士リーフマンノッドらと共に戦うことになる。




リーフマン leaf man。彼らは 葉っぱ兜をかぶる戦士である。


ノッド


女王を守るリーフマン隊長ローニンにはコリン・ファレル(Colin Farrell, 1976年5月31日 - )ダブリン出身のアイルランド人俳優。

同じく若きリーフマン ノッドにはジョシュ・ハッチャーソン(Josh Hutcherson)

女王クイーン・タラにはbig star ビヨンセ


女王タラ


腐敗の森に住む黒いマンドレイクのボーガンは腐敗領域を広げ緑の森を侵そうとする。マンドレイクには悪役オーソリティのクリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz)。

マンドレイクはナス科の薬草で容貌がゴブリンににて醜い、大体ナス科の植物は毒のものが多い。


マンドレイク
wikipediaより




錚々たるキャスト(声優)なのだけれど、それよりも森の中の観察というか描写が素晴らしい!

イントロで私はこの映画がアニメだということをすっかり忘れてしまった。パパの顔も鴉にも実写から導入かと騙された。そのくらいリアルなのだ。女王や凛々しいリーフマンの美しさ、つまり森の美しさに恍惚となってしまった。リーフマンが乘る鳥たちの素晴らしいこと。おそらく正確に野鳥をトレースしているに違いない。素晴らしい野鳥観察なのだ。野鳥のクリクリした眼の動き、羽のリアルさ。そこに小人のリーフマン。


鳥に乗るメアリーとノッド


ローニンとノッド





我々は大きくなった昆虫を見ることもできる。蜂や蝿にも関心。






小人のメアリーとパパ


画像はマンドレイク以外は
(C) 2013 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. 






2017年10月14日土曜日

美女と野獣




2017年制作のアメリカ映画。フランスの民話「美女と野獣」を元にした1991年制作のディズニー長編アニメーション映画の実写リメイク版。



ロココ時代のフランスが舞台なのに、「ボンジョール」って言ったかと思ったら、英語のセリフというのがおかしいよね。笑


ストーリーはなかなか複雑で、起伏に富んで飽きさせない。


美女ベルには、フランス人の祖母を持つ英国女優エマ ワトソン(Emma Watson)。彼女の聡明で意志の強い感じがベル役にぴったり。私が一番関心したのが、野獣役のダン スティブンス(Dan Stevens)。こんなにハンサムなのに全編ほぼ毛むくじゃらの野獣役で出ずっぱり。




野獣役のDan Stevens



野獣


この野獣は、魔女に「バラの花びらが全て落ちるまでに、愛し愛されることを学ばなければ、呪いは永遠に解けない」と、とんでもない難題を突きつけられた美しい王子。これって呪われたまま一生を終わる人も結構いそう、、、。



その野獣の容貌が、毛むくじゃらなんだけど、えらく人間を感じてしまう。目元、口元、手、狼に噛まれて負傷した背中も人間っぽいのよ。2006年制作の「毛皮のエロス」、ダイアン アーバスをモチーフにした映画に出演したロバート ダウニー Jr. 演じる毛皮男に似ている。



ロバート ダウニー Jr. 演じる毛皮男


私のお気に入りは、ベルが野獣の書斎で野獣と打ち解ける場面。





王子の家来たちも、チェンバロやら箪笥、時計、燭台、ポット、はたきに変身されている。彼らの動きはまるでおとぎ話そのもので、夢のようなディズニーの真骨頂。
ディズニーは大人にも夢なんです!大好き!




映画の全てが美しく、悲しく、楽しく、ワクワクそして、ディズニー映画の本質、happy end 。 最高のエンターテイメント!



野獣の苦労わかります?



ガストンとルフル

ロシアでは、ゲイのキャラクター悪役ガストンの子分 ル フウ が同性愛の宣伝活動にあたるとして、映画禁止騒ぎになったらしい。






2016年12月16日金曜日

Tarzan: REBORN

ジョージ・ワシントン・ウィリアムズとターザン

Tarzan: REBORN
 原題 : The Legend of Tarzan

 アメリカの小説家 エドガー ライス バローズの「ターザン」を下敷きに、1885年当時のアフリカ、コンゴ を舞台に繰り広げられるアクションアドベンチャー。

監督は「ハリー・ポッター」シリーズのデビッド・イェーツ(David Yates)

主人公 ターザン/ジョン・クレイトン3世には スウェーデンのイケメン
アレクサンダー・スカルスガルド (Alexander Skarsgård)
妻ジェーン役にマーゴット・ロビー(Margot Robbie)
ジョージ・ワシントン・ウィリアムズにサミュエル・ジャクソン(Samuel Leroy Jackson)
レオン ロムには悪役 authority のクリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz)


 小説によると、ターザンは高度な身体能力を持ち、類人猿の言語、英語、仏語、ドイツ語、ラテン語、アラビア語にスワヒリ語など数カ国語を習得したとなっているスーパー人間である。
 父は英国貴族グレイストーク卿 ジョン クレイトン。妻と共に赴任先の英国領西アフリカに向う途中、船員の反乱からアフリカ西海岸に置き去りにされ、そこでターザンは生れる。両親亡き後、幼児ターザンは類人猿カラに育てられる。成人後グレイストーク卿の息子と判明、その後父の名を受継いだとある。



ターザン/ジョン・クレイトン3世



Tarzan



 1865年のアメリカ南北戦争終結により、奴隷制が廃止されたにも拘らず、ベルギー国王レオポルド2世 は列強に後れをとられじとアナクロニズム的奴隷制をもとに1885年アフリカにコンゴ自由国なるものをつくり、前代未聞の圧政と搾取を強いた。この歴史の一頁にターザンを登場させた映画である。

 映画では、レオポルド2世の側近 レオン ロム がコンゴに派遣され、ダイア採掘を強制するが、ロム率いる公安軍の悪行場面は当時の圧政ぶりが反映されたものである。


 サミュエル・ジャクソン演ずるジョージ・ワシントン・ウィリアムズも実在の人物で、アメリカ特使のウィリアムズは コンゴ自由国の視察に行くことになる。 1890年、コンゴから帰還したウィリアムズは帳簿を元にレオポルド2世のコンゴ経営を弾劾する。





 撮影はイングランド東部ハートフォードシャー (Hertfordshire)で開始され、アフリカの映像はガボン共和国の映像を合成したらしい。私はすっかり騙され、アフリカを堪能してしまった!

 私が期待したターザンと動物の特殊撮影3DCGは大満足だった。いったいどのようにしてターザンがライオンとハグできるのだろうか? ジャングルを綱渡りする場面が私のお気に入りです。 アレクサンダー・スカルスガルド はしゃべらないターザンで、この映画を貴族化していて素晴らしかった。



ジャングルに戻ったターザンが幼なじみのライオンとハグ


アレクサンダー・スカルスガルド (Alexander Skarsgård)



 架空のキャラクター tarzan を想像期待していた私は紆余曲折して、米国南北戦争やコンゴ自由国なる歴史を学び、植民地政策と戦争、人間の善悪をえらく考えてしまった。






新たに生まれ変わる reborn は、私の解釈では、架空のキャラクター tarzan に史実に基づいた歴史を組み込み実在的ターザンをつくりあげた、という意味かな。