2018年3月21日水曜日

メアリーと秘密の王国



『メアリーと秘密の王国』(原題: Epic )は、
ウィリアム・ジョイスの絵本「The Leaf Men and the Brave Good Bugs」を クリス・ウェッジ監督が3Dアニメ映画化したファンタジーアドベンチャー。2013年20世紀フォックス配給。



メアリー アマンダ・ミシェル・サイフリッド(Amanda Michelle Seyfried)

は疎遠になっていた学者の父ラリーが住む森を訪ねるところから物語が始まる。
ラリーは森には高度な社会を築く「小さい人」が居る痕跡を調査、研究中なのだが、、、ひょんなことから森の中に入ったメアリーが、瀕死の森の女王クイーン・タラに出会い、「生命のつぼみ」を託される。「生命のつぼみ」が悪の勢力の手に渡ると森が滅びると知ったメアリーは、女王の兵士リーフマンノッドらと共に戦うことになる。




リーフマン leaf man。彼らは 葉っぱ兜をかぶる戦士である。


ノッド


女王を守るリーフマン隊長ローニンにはコリン・ファレル(Colin Farrell, 1976年5月31日 - )ダブリン出身のアイルランド人俳優。

同じく若きリーフマン ノッドにはジョシュ・ハッチャーソン(Josh Hutcherson)

女王クイーン・タラにはbig star ビヨンセ


女王タラ


腐敗の森に住む黒いマンドレイクのボーガンは腐敗領域を広げ緑の森を侵そうとする。マンドレイクには悪役オーソリティのクリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz)。

マンドレイクはナス科の薬草で容貌がゴブリンににて醜い、大体ナス科の植物は毒のものが多い。


マンドレイク
wikipediaより




錚々たるキャスト(声優)なのだけれど、それよりも森の中の観察というか描写が素晴らしい!

イントロで私はこの映画がアニメだということをすっかり忘れてしまった。パパの顔も鴉にも実写から導入かと騙された。そのくらいリアルなのだ。女王や凛々しいリーフマンの美しさ、つまり森の美しさに恍惚となってしまった。リーフマンが乘る鳥たちの素晴らしいこと。おそらく正確に野鳥をトレースしているに違いない。素晴らしい野鳥観察なのだ。野鳥のクリクリした眼の動き、羽のリアルさ。そこに小人のリーフマン。


鳥に乗るメアリーとノッド


ローニンとノッド





我々は大きくなった昆虫を見ることもできる。蜂や蝿にも関心。






小人のメアリーとパパ


画像はマンドレイク以外は
(C) 2013 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. 






2017年10月14日土曜日

美女と野獣




2017年制作のアメリカ映画。フランスの民話「美女と野獣」を元にした1991年制作のディズニー長編アニメーション映画の実写リメイク版。



ロココ時代のフランスが舞台なのに、「ボンジョール」って言ったかと思ったら、英語のセリフというのがおかしいよね。笑


ストーリーはなかなか複雑で、起伏に富んで飽きさせない。


美女ベルには、フランス人の祖母を持つ英国女優エマ ワトソン(Emma Watson)。彼女の聡明で意志の強い感じがベル役にぴったり。私が一番関心したのが、野獣役のダン スティブンス(Dan Stevens)。こんなにハンサムなのに全編ほぼ毛むくじゃらの野獣役で出ずっぱり。




野獣役のDan Stevens



野獣


この野獣は、魔女に「バラの花びらが全て落ちるまでに、愛し愛されることを学ばなければ、呪いは永遠に解けない」と、とんでもない難題を突きつけられた美しい王子。これって呪われたまま一生を終わる人も結構いそう、、、。



その野獣の容貌が、毛むくじゃらなんだけど、えらく人間を感じてしまう。目元、口元、手、狼に噛まれて負傷した背中も人間っぽいのよ。2006年制作の「毛皮のエロス」、ダイアン アーバスをモチーフにした映画に出演したロバート ダウニー Jr. 演じる毛皮男に似ている。



ロバート ダウニー Jr. 演じる毛皮男


私のお気に入りは、ベルが野獣の書斎で野獣と打ち解ける場面。





王子の家来たちも、チェンバロやら箪笥、時計、燭台、ポット、はたきに変身されている。彼らの動きはまるでおとぎ話そのもので、夢のようなディズニーの真骨頂。
ディズニーは大人にも夢なんです!大好き!




映画の全てが美しく、悲しく、楽しく、ワクワクそして、ディズニー映画の本質、happy end 。 最高のエンターテイメント!



野獣の苦労わかります?



ガストンとルフル

ロシアでは、ゲイのキャラクター悪役ガストンの子分 ル フウ が同性愛の宣伝活動にあたるとして、映画禁止騒ぎになったらしい。






2016年12月16日金曜日

Tarzan: REBORN

ジョージ・ワシントン・ウィリアムズとターザン

Tarzan: REBORN
 原題 : The Legend of Tarzan

 アメリカの小説家 エドガー ライス バローズの「ターザン」を下敷きに、1885年当時のアフリカ、コンゴ を舞台に繰り広げられるアクションアドベンチャー。

監督は「ハリー・ポッター」シリーズのデビッド・イェーツ(David Yates)

主人公 ターザン/ジョン・クレイトン3世には スウェーデンのイケメン
アレクサンダー・スカルスガルド (Alexander Skarsgård)
妻ジェーン役にマーゴット・ロビー(Margot Robbie)
ジョージ・ワシントン・ウィリアムズにサミュエル・ジャクソン(Samuel Leroy Jackson)
レオン ロムには悪役 authority のクリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz)


 小説によると、ターザンは高度な身体能力を持ち、類人猿の言語、英語、仏語、ドイツ語、ラテン語、アラビア語にスワヒリ語など数カ国語を習得したとなっているスーパー人間である。
 父は英国貴族グレイストーク卿 ジョン クレイトン。妻と共に赴任先の英国領西アフリカに向う途中、船員の反乱からアフリカ西海岸に置き去りにされ、そこでターザンは生れる。両親亡き後、幼児ターザンは類人猿カラに育てられる。成人後グレイストーク卿の息子と判明、その後父の名を受継いだとある。



ターザン/ジョン・クレイトン3世



Tarzan



 1865年のアメリカ南北戦争終結により、奴隷制が廃止されたにも拘らず、ベルギー国王レオポルド2世 は列強に後れをとられじとアナクロニズム的奴隷制をもとに1885年アフリカにコンゴ自由国なるものをつくり、前代未聞の圧政と搾取を強いた。この歴史の一頁にターザンを登場させた映画である。

 映画では、レオポルド2世の側近 レオン ロム がコンゴに派遣され、ダイア採掘を強制するが、ロム率いる公安軍の悪行場面は当時の圧政ぶりが反映されたものである。


 サミュエル・ジャクソン演ずるジョージ・ワシントン・ウィリアムズも実在の人物で、アメリカ特使のウィリアムズは コンゴ自由国の視察に行くことになる。 1890年、コンゴから帰還したウィリアムズは帳簿を元にレオポルド2世のコンゴ経営を弾劾する。





 撮影はイングランド東部ハートフォードシャー (Hertfordshire)で開始され、アフリカの映像はガボン共和国の映像を合成したらしい。私はすっかり騙され、アフリカを堪能してしまった!

 私が期待したターザンと動物の特殊撮影3DCGは大満足だった。いったいどのようにしてターザンがライオンとハグできるのだろうか? ジャングルを綱渡りする場面が私のお気に入りです。 アレクサンダー・スカルスガルド はしゃべらないターザンで、この映画を貴族化していて素晴らしかった。



ジャングルに戻ったターザンが幼なじみのライオンとハグ


アレクサンダー・スカルスガルド (Alexander Skarsgård)



 架空のキャラクター tarzan を想像期待していた私は紆余曲折して、米国南北戦争やコンゴ自由国なる歴史を学び、植民地政策と戦争、人間の善悪をえらく考えてしまった。






新たに生まれ変わる reborn は、私の解釈では、架空のキャラクター tarzan に史実に基づいた歴史を組み込み実在的ターザンをつくりあげた、という意味かな。




2016年11月21日月曜日

ブルックリン Brooklyn

エイリシュとトニー


ブルックリン』(Brooklyn)2015年制作のドラマ映画。

2009年にアイルランド人小説家のコルム・トビーンが刊行した小説『ブルックリン』が原作。

監督 ジョン・クローリー(John Crowley)
脚本 ニック・ホーンビィ(Nick Hornby)
エイリシュ・レイシー役 : シアーシャ・ローナン
トニー・フィオレロ役 : エモリー・コーエン
ジム・ファレル役 : ドーナル・グリーソン
ローズ・レイシー役 : フィオナ・グラスコット

時代は1951年と1952年、アメリカ合衆国のニューヨーク・ブルックリン区に移民したアイルランド人の若い女性の物語。アイルランドと米国の間で揺れ動く様を当時の時代背景とともに描いている秀作。

第二次大戦後、敗戦国の日本と違い、経済的にも上り坂の米国をみると負けたのもよく理解できる。そんなアメリカ社会だ。
ファッション、特に水着なんかも時代を感じて面白い、CGだけが映画じゃないよね。








ブルックリン、入植当初はオランダ人、1950年代(映画によると)はアイルランドの移民が多かったらしいけど、聞くところによると、1980年当初は黒人が多かったみたい。住む人種も時代とともに変わっていくのね。

トニーがエイリシュに将来を語るのは、ロングアイランド、その当時はただの草原、ここに家を5軒建てて、3軒売って、後は君と住みたいと、そのうち人が集まってくるよと、確かに現在は高級住宅街、富裕層エリア。



ロングアイランドにて



高級デパートに勤めるエイリシュ
まるでマネの絵画



映画は上質な人間の喜び、苦悩が素直にえがかれていて、
人間っていいじゃない、と思える。

監督もアイルランド人、主演はニューヨーク生まれながらアイルランドで育ったシアーシャ・ローナンであり、ローナンの両親はアイルランド人である。

イタリヤ系移民のトニー役 : エモリー・コーエン意外はアイルランド人、イングランド系がほとんど。だから説得力あるわね。


ジム、エイリシュの母、エイリシュ



脚本をつとめたニックホーンビィはキャリー・マリガン(Carey Mulligan)主演の『17歳の肖像』も手掛けた。私、この映画も好き! 脚本がとにかくいい!上質な会話も何度涙したことか。私ってセンチメントなんだよね、笑。


エイリシュの姉のローズが突如なくなってしまうのだけれど、大変なゴルフ好き
で、彼女亡き後、ゴルフ仲間がクラブトーナメントにローズ杯をもうけるなんてのも、私好みなのよね。


映画、主演のシアーシャ・ローナンはアカデミー賞ほか多くの映画賞にノミネート
された。







2016年9月20日火曜日

あの日のように抱きしめて

あの日のように抱きしめて
原題「Phoenix」




2014年ドイツ映画 2015年日本公開

監督 クリスティアン・ペッツォルト
ネリー ニーナ・ホス
ジョニー ロナルト・ツェアフェルト


1945年のベルリンといえば、ナチが崩壊し、ドイツの主権をどの国が掌握するかの大混乱期。ナチスの強制収容所で顔に大怪我を負った妻(ネリー)と変貌した妻に気づかない夫(ジョニー)の愛の不協和音をシビアにサスペンス風に描いた恋愛ドラマ。
 戦争がもたらした悲劇を、複雑な歴史を抱えるドイツの監督がサスペンス風につくりあげている。現代になってやっと戦火の事後結果を知ることができる、傷口を真摯に丁寧に、しかも映画として面白く仕上げている。



ネリーが強制収容所から奇跡的に生き残ったものの顔に大きな傷を負い、再生手術を受けるプロローグはドキドキハラハラ。ある意味のホラー映画ともいえる。




再会したもののジョニーは妻が収容所で死んだと思い込んで、顔の変わった彼女が自分の妻であることに気づかないばかりか、収容所で亡くなった妻になりすまして遺産をせしめようと彼女に持ちかける。二人のちぐはぐな心の葛藤をサスペンスドラマにしている。






自分を裏切った夫を許すのか? 自らを崩壊させるのか? 結果は観客にゆだねている。 
我々はドイツの戦後処理の精神的判断を強いられる。
私はこんな残酷な結果を処理できず考え込んでしまった。
タイトルの「あの日のように抱きしめて」は甘すぎる、原題は「Phoenix」。

前作に「東ベルリンから来た女」があるが、やはり観てみようと思う。

戦争なんていいことひとつもないじゃないの!