2015年3月7日土曜日

Violetta







 「事実は小説より奇なり」とはよく云ったもの。

2011年にカンヌ映画祭で批評家週間50周年記念映画として上映された、フランス映画『My Little Princess』、邦題『ヴィオレッタ』(Violetta)。





 私はイリナ・イオネスコ(Irina Ionesco)という写真家を知らなかった。



イリナ・イオネスコ(イリナ・ヨネスコ、Irina Ionesco、1935~ )

フランスの女流写真家。ルーマニア系フランス人。

1935年9月3日パリにルーマニア移民の家庭に生まれる。幼年期をルーマニア・コンスタンツァで過ごした後、再びフランスに戻る。1965年から写真を撮影し始める。  

1977年、娘であるエヴァ・イオネスコをモデルに写真集「鏡の神殿」(Temple aux miroirs)を発表しセンセーションを呼ぶ。

イオネスコの作風はシュルレアリスムとバロックの混沌と批評され、独特な世界観から賛否評論の評価がある。

2012年11月12日、娘から、子供の頃のヌード写真撮影およびその出版について、20万ユーロの損害賠償と写真返却を求める裁判を起こされた。

写真家の著作権と被写体の肖像権の争いは複雑である。80才(2015年現在)の母親に対するすごい仕打ちだと思うけど真偽のほどは他人には解らない。

 1977年にフランスで発売されのちに日本でも販売された少女ヌード写真集「エヴァ」が出版されたが、その被写体の少女こそがエヴァ・イオネスコ監督自身。





エヴァ・イオネスコ  (Eva Ionesco)  

1965年パリ生まれ。写真家イリナ・イオネスコの娘で、4歳から13歳の間に撮影をした1977年の写真集「鏡の神殿」で世界中に名の知られるロリータ・アイドルとなり、史上最年少の11歳で PLAYBOY の表紙を飾ることになった。その後女優として60本以上の作品に出演し、2011年ついに『My Little Princess』で監督デビュー。



Eva Ionesco


女優としての少女Eva


 実の娘エヴァを4歳から13歳の間に撮影をした写真集「鏡の神殿」(Temple aux Mirios)を1977年に発表し、センセーションを巻き起こしたらしい。なるほど内容からすると、多いに想像できる。 実際写真の一部を観ると、堂々としたモデルに妙に納得してしまう。映画の少女はとても可愛く、妖艶で美しい。実際のエヴァは野卑で品性に欠けるところがあるが、その野卑さが独特のエロチシズムを醸し出している。ポルノかアートかで論争になったらしいが、ポルノでもあり、アートでもある。アートもポルノを包み込んで存在しているのだから。



Evaより



 第64回カンヌ国際映画祭に出品された際には、本作が児童ポルノにあたるかどうかが議論され物議を醸したらしい。確かに「うん、これちょっと」とドキリとする。


Evaより


Evaより


 イリナ・イオネスコは、画家としては成功しなかったが、1964年画家のコルネイユから ニコンF をプレゼントをされたことから写真家としての才能を発揮して行く。



Nikon F


確かに映画の中でNikonとはっきりわかるように描写されていた。

世界のNikonですね。

映画は10才の娘ヴィオレッタを被写体に、退廃的でエロチックな写真を撮るシーンがこれでもかこれでもかと続く。子供のヴィオレッタが撮られる毎に刻々と大人風に変身していく。あくまでも大人風であり、大人ではない。発育不全の胸をもつ子供が妖艶な美少女と変化していく様を本作がデビューとなるアナマリア・ヴァルトロメイが熱演。とにかく実際のエヴァよりずーと美少女。


美しいだけでなく、後半の母親との心理的葛藤の表現もみごとなもの。この映画が見世物的に終わることなく心のひだを描けるのも、いつわりなく母親のトラウマを衝撃的に差し込むから。小説でも、映画でも事実に勝るものはそうあるものではない。



アナマリア ヴァルトロメイ
 
アナマリア・ヴァルトロメイ(新人)
1999年ルーマニア生まれ。フランス国内で行われたオーディションでは何か月も該当者が見つからなかった娘のヴィオレッタ役は、父親の進めでルーマニアから応募した彼女が見事に掴んだ。


写真集『Eva』
 
写真集「エヴァ」
 女流写真家のイリナ・イオネスコは、実の娘エヴァが4歳から13歳の間に撮影をした写真集「鏡の神殿」(Temple aux Mirios)を1977年に発表した。バロック的審美性で貫かれた官能的な写真集は、バロックエロスの寵児としてもてはやされ、高い評価を受けた。しかし、作品が広まっていくにつれて愛娘をロリータ・セックスのアイドルに仕立て撮影を行ったイリナの作品は「洗練された悪趣味」とも評され道徳と倫理をめぐってフランスのみならず、アメリカ、ヨーロパ、日本でも大きな話題となった。しかし、シュルレアリスムとバロックの混沌とした写真は世界中で今なお高い評価を得ている。そんな世界的な評価の高さも手伝い2004年には初めて1冊のモノグラフにまとめあげた写真集『エヴァ』が日米で同時出版されたが、北米市場における流通トラブルにより米国版元が突然事業閉鎖。作品集は世界の市場から消え去り、写真集そしてエヴァのシリーズは再び幻の存在となる。その後はプレミアとなって取引されていた。しかし、その様な背景から増刷を望む多くの日本のファンの為に、2011年には日本語限定復刻版が発売された。    (Art Impressionより)

現在でも希少本として、人気があるらしく古書店などで50万円ぐらいの価格で出版されている。写真集としては破格の値段でしょ。しかしこんな写真家がいたことを何故知らなかったのだろうか?




2014年12月27日土曜日

ラブシーン品定め





 源氏物語の中で、梅雨の夜長、光源氏と頭中将が手前勝手に女性についてあれこれ品定めしたように、私も映画の中のラブシーンについてあれこれ品定めをしてみようと思う。ちょっと大胆でしょ。

 最近、『アデル、ブルーは熱い色』を観た。最近の映画では珍しく堂々3時間上映である。
 チュニジア出身のアブデラティフ・ケシシュ(舌がもつれちゃう、笑)監督、脚本による、2013年のフランスの恋愛ドラマ映画である。彼自身俳優でもあるらしい。

 ジュリー・マロという漫画家による、2010年のフランスの漫画『ブルーは熱い色』が原作らしい。漫画もすごいね! 注意!漫画と云わずグラフィックノベルと言うらしいよ。

 第66回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを史上初めて監督のほかに出演女優の2人にも贈られた。カンヌでもそうだったらしいけど、とにかくラブシーンというよりセックスシーンが過激で度肝をぬかれてしまいます。日本では映画倫理委員会からR18+に指定された。



        


 アデル役はアデル・エグザルホプロス19才。画家のエマ役はレア・セドゥ29才。どちらもフランスの女優。レア・セドゥはウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』『マリー・アントワネットに別れをつげて』でファンになった 私のお気に入りの女優さんです。


レア・セドゥ


 二人はレズビアン関係で、各々の生活、アデルは保育園の先生らしく、エマは新進の画家で、アデルをモデルにレズビアンとはっきり解る絵を描いている。この絵結構ショッキングだった。

 セックスシーンは衝撃的だけれど、フランスの女性の生活ぶりを興味深く見せてもらった。フランス人の個人主義の表現は、保育園の幼い子供達にもしっかりあり、感心してしまった。この個人にこのセックスシーンあり、である。

 映画に立体的深みを持たせるにはラブシーンは必要不可欠で、その人のひととなりの重要な情報源である。アデルの寝姿の口元から、彼女のルーズな性癖がよく現れていた。エマの独占欲、潔癖症は彼女の芸術に必要不可欠と思われる。

 映画の中でのスパゲッティを食べるシーンは、セックスシーンと同等に表現されている。人間にとって性欲、食欲は基本であり、そこに文化が肉付けされて立体的な人間像が形成されていく。と私は思う。


 アデルのラブシーンを上回るセックスシーンは、2007年につくられたアン・リー監督の Lust, Caution 『ラストコーション』。第64回ヴェネツィア国際映画祭で受賞。台湾のアカデミー賞にあたる第44回金馬奨でも作品賞・監督賞・最優秀主演男優賞(トニー・レオン)を受賞している。




 二人のセックスシーンは、第二次世界大戦中の日本軍による占領下となっていた香港と上海を抜きには考えられない。抗日組織の弾圧を任務とする特務機関員(トニー・レオン)の暗殺計画をめぐって、暗殺を目論む女スパイ(工作員)と、暗殺対象となった特務機関員との間に芽生えた、深淵なる孤独の共有がセックスシーンを認めさせている。




 アン・リー監督では『ブロークバック・マウンテン』が記憶に残っている。アメリカ、ワイオミング州を舞台にした、同性愛者のカウボーイ、イニスとジャックの物語。 
 監督は2005年に『ブロークバック・マウンテン』で第78回アカデミー監督賞を受賞している。



 ニコールキッドマンとジュードロウの南北戦争を背景にした純愛ドラマ、2003年制作のCold Mountain 『コールド マウンテン』


 南北戦争末期、南軍の兵士であったインマンが最愛の女性エイダに再び合うため脱走し、徒歩でコールドマウンテンに向かいクライマックス、山小屋でのラブシーンは美男美女相思相愛の美しいものでした。監督は苦労に苦労の結果、二人に最高のラブシーンをプレゼントした。このラブシーンは長かったと記憶している。


 ニコールキッドマンといえば、

2006年制作の『毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト』原題は『FUR』。実在の作家をモチーフにした映画としては、珍しく成功している。





 

ダイアン・アーバス


 あの伝説の写真家ダイアン・アーバスを主人公に、物語をフィクション仕立てにした映画だった。フリークスをモチーフに気持ちの悪い怪奇的写真はこれが真実か、と目を背けたくなる、と言ったら問題かな。

 そのダイアンと全身毛皮だらけの男とのラブシーン(この時はハンサムなロバートダウニーJr.だからご安心を)も印象に残っている。  
 この映画のロバートダウニーJr.は最高だと思う。セクシーでコミカル、彼の良さが存分に発揮されている。


 ラブシーンはそれだけ取り上げたらポルノになってしまうけど、映画の舞台背景、登場人物の掘り下げを付帯して観ると、映画を地図から丸い地球儀にしてしまう不思議なものだと思う。地図を見るのも楽しいけれど、地球儀をコロコロ廻して見るのも楽しいでしょ。


2014年9月8日月曜日

World Amateur Team Championship JAPAN 2014





2年に一度開催の世界アマチュアゴルフチーム選手権が軽井沢72ゴルフ、東(入山コース / 押立コース)で開催されている。

日本では1962年に川奈ゴルフコースで開催されて以来52年ぶりのホスト開催である。大会の呼び名は、時の米国大統領で、歴代大統領の中では最もスポーツに理解があり、ゴルフにも多大な貢献を果たしていたアイゼンハワー大統領にあやかって『アイゼンハワー・トロフィー』と名づけられた。第1回大会は1958年に英国のSt Andrews Old Courseで開催された。また、女子は1964年に第1回大会が開催され、ロシア帝国の由緒あるカップをポルトガルのSilvia Espirito Santo氏が提供されたことから『エスピリトサント・トロフィー』と呼ばれ、今日まで続けられている。

今回は男子72ヶ国、女子50ヶ国参加。ゴルフのオリンピックといったところ。

この大会に出場し、後にプロとなった一流選手はジャック・ニクラス、タイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン、ローリー・マキロイなど錚々たるメンバーで、プロの登竜門である。過去、日本は1984年香港大会で優勝、丸山茂樹、片山晋呉、宮里優作、池田勇太、松山英樹らも日本代表として世界アマに出場した。
一方、女子は服部道子の個人戦2位、現在USLPGAツアーで活躍している宮里藍や宮里美香、日本女子プロツアーの中心選手に成長した森田理香子らが日の丸を背負って戦った。

選手権は2コースを使用し、各コース2日間の4日間合計72ホールで争われる。
各日ともチーム3名中2名のベストスコアをその日のチームスコアとし、合計スコアで勝負を競う。個人戦でのベストスコアもある。


★『エスピリトサント・トロフィー』
女子は9/3~9/6まで入山コース / 押立コースで開催された。

代表選手は、
鹿児島から高校1年の勝みなみ、大阪から高校1年の松原由美
大阪から高校3年の岡山絵里

初日ラウンド Evenの日本勢、二日目の猛進、イーグルを含むー7の勝みなみ、
ー5の岡山、ー3の松原と2位に急浮上。第3ラウンドを終えて通算ー23で首位に立っていたカナダ、2打差で追う韓国、更に4打差につけていた日本。最終日はオーストラリアの猛進でまさかの逆転優勝。ゴルフは最後の最後までわからない。だから Never give up なのよね。8位の日本、よく頑張ったと思う。おつかれさま!

チーム戦の成績結果

個人戦の結果

個人戦、ベストグロスのカナダの 
Brooke Henderson 
入山コースの方が難しいね。しかし安定したスコアで、以後USLPGAツアーで活躍しそうな素晴らしい選手。


私もお気に入りのゴルフゲームWGTで、アイゼンハワーバイロン ネルソンとプレイした Congressional CC、第1回の St Andrews Old Course、1980年開催の Pinehurst Resort  でのプレイを楽しんでいるのです。


★『アイゼンハワー・トロフィー』
 男子は9/10~9/13まで、同じく入山コース / 押立コースで開催された。

宮崎出身、専修大学4年の小浦和也をチームリーダとして、広島出身、東北福祉大学2年の小西健太、愛知県出身、福井高校3年の小木曽喬が代表選手に選ばれた。

日本チームは、入山、押立、押立、入山とプレイ。1ラウンドは小西、小浦がー3、小木曽-1、まずまずのスタートでタイ10位。2、3ラウンドは苦手意識の押立コースで21位タイ、33位タイと苦戦。最終ラウンドは入山コースを小西、小浦がー2、
小木曽がevenとし、-12で29位タイの成績だった。日本の過去最低24位を下回る29位タイであった。

Canada, Sweden, USA, Argentina, Spain, England など入り乱れて、-38の強さでUSAが昨年に続き優勝。2位-36のCanada、3位-35のSpain、4位-34のSweden、
5位-33のArgentina、6位タイのEngland 他と続いた。

押立コースno.18 par6 787ヤードをeagleの選手もいて、とにかくビックリ!
3RまではSweden チームが2位をキープしていたが、3RからUSAのBryson DeChambeau のー10と猛進撃があり、2位Sweden と接戦と思われたが、最終ラウンドでCanadaが突如躍り出て来て、USA ー38に、2打差の-36で2位となったのは驚きであった。昨年に続き連覇のUSAは飛距離と正確さを武器にアメリカの強さを見せつけた大会だった。

個人戦では-23でSpain のJon Rahm が個人優勝であった。USA 大活躍のDenny McCarthy は-19の5位であった。USAがいかにチーム戦に強かったかわかる。

日本チームの押立苦手意識はどうしても理解できなかった。私は押立では自分のベストスコアを出しているが、入山は攻略しにくくて、断然入山の方が難しいと思うのだけれど?

チーム戦の成績結果

個人戦の結果




この軽井沢でゴルフのオリンッピック、世界アマチュアチーム選手権が開催されたことは、私のゴルフ好きを刺激し、exciting karuizawa だった。

Thank you so much!


情報提供 JGA


2014年3月3日月曜日

ダイナソー Disney - Dinosaure



2000年に公開されたディズニーのCGアニメーション映画。

本作のために「ザ・シークレット・ラボ」を建設し、古生物学者や古生物画家がアドバイザーとして招かれたらしい。恐竜達は“人間のような感情や表情を持ち、言葉を話す”と設定され、恐竜を擬人化した理想郷を探し求めるアドヴェンチャー映画となっている。










舞台は6500万年前の白亜紀末期。卵の状態で巣からさらわれたイグアノドンのアラダーは、キツネザルの一家の手により育てられ、青年期を迎えた。古生物達の楽園とも言える同時代の地球であったが、巨大な隕石の衝突によって環境は激変。未曾有の大災害を生き延びたアラダーとキツネザル一家は、多数のイグアノドンを中心とした草食動物の大群に合流し、豊饒な緑に溢れるという「命の大地」を目指して旅立つ。だが、彼らの背後には、群れを付け狙う肉食恐竜達が迫っていた。   Wikipediaより

 
命の大地に到着したところ


MacOSXをtiger10.4にした時、アプリの中に入っていた『ナノサウルス』という恐竜時代を背景にしたゲームに夢中になった時期があった。(私はゲーム好きじゃないのだけれど、今ハマっているWGTゴルフゲームと『ナノサウルス』は特別) 

  pangeasoft  は左をクリック

Pangea Software, Inc.が開発した『ナノサウルス』は映像、音楽、攻略法が完璧で一人、白亜紀期の恐竜の世界に侵入し、ある種の恍惚感を体験した。













photo by ©Pangea Software, Inc.
「ナノサウルス」informationより抜粋
時は西暦 4122年、
「ナノサウルス」という種類の恐竜が地上を支配している。人間がおこなった遺伝子実験によって絶滅したナノサウルスは復活し、知能を与えられた。ところが疫病によって人類が滅亡したため、ナノサウルスは自分たちの社会を築いたのだった。
しかし、ナノサウルスどうしの近親交配が始まり、ナノサウルスの社会の存続が脅かされるようになる。そこである 1 匹のナノサウルスが、先祖の卵を手に入れるため 6500万年前の時代に送り込まれた。手に入れた卵を孵化させ、繁殖用の新しい血統にする計画だった。ところが、ナノサウルス社会のさらに極悪非道な集団が、卵を別の計画に利用しようとしていた…地球の支配に血道をあげるナノサウルスの反乱グループはほとんどの卵を盗み出し、反乱グループが支配する、恐竜の繁殖に適した環境の惑星にその卵を運んだ。反乱グループの目的は、孵化した子どもを意志を持たない戦士に育て上げ、地球を支配するための暴動で戦わせることだった。
一方、残った卵のひとつが孵化して新種のナノサウルスとなった。この幼いナノサウルスは、タイムポータルを基礎とする、過去から卵を取ってくるためのワームホール技術を使って、盗まれた卵を取り返し、反乱グループの基地を破壊するミッションに送り込まれたのだった。


ナノサウルスになり、上空から、はたまた地上スレスレを数多の極悪ナノサウルスと戦いながらの卵とりにほんと夢中になったあの頃、笑えるナ! 
パソコンで資料作りを終えて、気晴らしの夢中。全くの『おたく』私って。
大きなブラキオサウルスにぶつからないよう、肉食のカルノタウルスに食べられないようヒヤヒヤ、ハラハラ、ドキドキ。
そんなことを思い出す映画が『ダイナソー』Disney - Dinosaure だった。

ディズニーのCGは完璧で、2000年に制作したものとは思えない。今春上映の『Frozen』(日本題『アナと雪の女王』)もこの映像技術の歴史があるからこそと思える。映画のリアリティは綿密な現実のトレースが必要で、これを怠るとチープな出来栄えとなる。現実に勝るリアリティはありえない。

ディズニー映画の素晴らしいところは、強固で単純な脚本と綿密にトレースされた現実に匹敵する映像リアリズムが完全に一致し、ヒューマニズムが構築されていること。
単純でヒューマニズムに弱い私は、いつもコロッと参ってしまうのだ。また、陶然とする映像にもこころ奪われてしまう。


これはフランス版の予告編、映像が違っててみせます。






2014年2月13日木曜日

危険なメソッド A Dangerous Method



ユングと治療を受けるザビーナ


何が危険なのか?精神分析が、道ならぬ恋が、倒錯的快楽が、崩壊する神経が。
 個人のこころの追求は尽きるところがない。

2011年制作、David Cronenberg デヴィッド・クローネンバーグ監督第一次世界大戦前夜の精神科医カール・グスタフ・ユングとジークムント・フロイト、そしてザビーナ・シュピールラインの3人のドラマを描いている。

 監督は俳優でもあり、1995年の『誘う女』(ニコールキッドマン主演)にも出演しているらしい。よく憶えていないけれど。極めて優秀な学業成績で大学を卒業しているらしくかなりの教養人とみた。

 ジークムント・フロイトの Viggo Mortensen ヴィゴ・モーテンセン、Carl Gustav Jung カール・グスタフ­・ユングの Michael Fassbender マイケル・ファスベンダー 、
ユングの患者であったザビーナ・シュピ­ールラインの Keira Knightley キーラ・ナイトレイ の三人がほぼ出ずっぱり。登場人物はミニマムでシンプルだけれど、充分なドラマを感じ満足だった。

 夏目漱石の『こころ』に登場する先生、私、お嬢さんの三人の心理劇を感じながら観ていた。

ユングとフロイト

フロイト本人


 確かにユングはユングらしく、フロイトはフロイトらしく、ザビーナはザビーナらしく、まるで三人はこうして存在していたと思わせる演技だった。個人的にはユングの妻、エマ ユング役のサラ・ガドンが好きだけれど。カナダ、オンタリオ州トロントの出身で、父親が心理学者だからまさに適役でしょ。


サラ ガドン




2012年、デヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドン・クローネンバーグが監督を務めたホラー映画『アンチヴァイラル』ではハンナ役で主演。 
注意  私、この映画恐くて観られない





 キャスティングにはえらく感心した、これ以上は考えられないと。それにしても役者というのは天才的ペテン師ね。
 ヴィゴ・モーテンセンはThe Lord of the Ringsのアラゴン役よりフロイト役の方が適役だと思う。


プロローグ、ザビーナの神経錯乱状態は演技とは思えないほどだった。

錯乱状態のサビーナ


ユングとザビーナの道ならぬ恋のプロセスはフロイト、ユングの精神分析学の変遷がザビーナの解説風セリフと平行して進行し、えらく納得してしまった。笑

 ファスベンダーとキーラの濡れ場は期待はずれだった。キーラのラブシーンはいただけないのよね。こればかりは努力で補えないし、、、。女優の天賦の才だからねラブシーンは。




 オーストリア人気質も精神科学会の雰囲気によく反映されていて、精神分析の複雑さと相まって、独特の陰翳が見事に表現されている。デヴィッド・クローネンバーグ監督の持ち味だと思う。





I love Michael Fassbender.

次回は甘い役をお願い!